第二言語運用論 (2017)

Second Language Performance



第二言語運用論(2017年前期、木曜2限)


【講義で扱った文献】Articles discussed (in the order they were discussed)


【その他の関連資料】Other materials (in the order they were introduced)



【本授業の目的およびねらい】Objectives of this course                                                   

本授業では、第二言語の処理・習得に関して、個々の研究データから普遍的な言語知識・プロセスを帰納的に追究する心理言語学的アプローチを理解する。特定のタイプのバイリンガル話者の第二言語の使用を、特定の状況にて、特定の手法を用いて観察した結果、どのような結論を導き出すことができるのか学ぶ。一次資料である学術論文を探し、読み、要約することで、 調査能力、読書能力、情報整理能力を養う。さらにディスカッションを通して、学術論文を批判的に読み、新たな疑問からさらなる研究へ発展させる探究力を養う。


【授業内容】 Class contents                                                                

1. 大要の確認、心理言語学的知識の確認

2. 日本と世界の二言語・多言語使用事情

3. バイリンガリズム、第二言語の認知的メカニズム

4. バイリンガリズム、第二言語の認知的メカニズム

5. 一つの言語を使っているとき、もう一つの言語プロセスは停止しているのか

6. 一つの言語を使っているとき、もう一つの言語プロセスは停止しているのか

7. 外国語副作用

8. 外国語副作用

9. 脳機能から見たバイリンガルの言語処理

10. なぜ外国語を身につけるのは難しいのか

11. なぜ外国語を身につけるのは難しいのか

12. 外国語を話すと人が変わる?

13. 外国語を話すと人が変わる?

14. バイリンガルは頭がいい?

15. 総括


以上のスケジュールで、教科書「なぜ外国語を身につけるのは難しいのか:『バイリンガルを科学する』言語心理学」(森島泰則, 2015)を読み進め、さらに関連する原著論文を読むことで、各トピックへの理解を深める。毎回、指定された学術論文を自分の言葉を用いて1ページ以内で要約する。また、2名のディスカッションリーダーは各々が選んだ学術論文を口頭で要約し問題提議を行うことでディスカッションを促す。学期末レポートでは、探究課題を自ら設定し、10枚程度のレポートを提出する。講義内のディスカッションでは、自分の考えを伝える態度と、相手の話をよく聞き、異なる意見を尊重する態度が求められる。講義言語は基本的に英語と日本語を併用するが、可能ならば英語の割合を増やす。課題も同様に、英語で執筆することが望まれる。


【成績評価の方法】 Evaluation System                                                          

ディスカッションへの参加 (20%)、文献の要約 (10%)、文献の口頭発表とディスカッションリーディング (20% + 20%)、レポート試験 (30%)

上記の課題における得点に基づき、最終成績は以下の5段階評価で決定される。

F (〜 59%)、C (60% 〜 69%)、B (70% 〜 79%)、A (80% 〜 89%)、S (90% 〜 100%)

履修取り下げ制度は採用しない。3回以上の欠席者は「欠席」で、合計点 60% 未満は「F」とする。


【教科書】 Textbook

森島泰則 (2015). なぜ外国語を身につけるのは難しいのか:「バイリンガルを科学する」言語心理学. 勁草書房. (ISBN: 978-4-326-29910-2)


【参考書】 Reference book                                                                      

必要な学術文献は講義内で適宜紹介する。


【本授業に関する参照ウェブページ】URL of the course website 

http://kojimiwa.com/teaching/2017/l2performance.html


【オフィスアワー】Office hour

金曜日 3限 13:00 〜 14:30(アポイントメントは必要ありません。メールでの質問は常に受け付けます。)

場所: 文系総合館 711号室

連絡先: kojimiwa@nagoya-u.jp


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 Last updated 09/26/2022                                  © Koji Miwa 2015-2022 All Rights Reserved