Office Hours (オフィスアワー)



学部生・大学院生の皆さん(& 教員・職員の皆さん)、毎週月・金曜日 12:00 - 13:00、文系総合館(地図 B4-4)の 711号室(AKA ひみつきち)にてオフィスアワーが提供されています。 ぜひ、オフィスアワーを有効に活用してください。


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・・・と、言われても、「オフィスアワーって何?」やら「オフィスアワーを活用するってどういうこと?」と疑問を持たれる方もいらっしゃることでしょう。なぜか日本の大学では利用者が少ないという印象のあるオフィスアワーですが、その理由の一つとして「そんなものがあるとは知らなかった」という声をよく聞きます。毎学期、初日の講義で話しているにも関わらず、そのような声が聞こえてくるため、このページを作りました。上の疑問への答えと私自身のオフィスアワーに関する思い出が以下です。



オフィスアワーとは?


Cambridge Dictionary では以下のように Office Hours が定義されています。


Office Hours   noun [ plural ]   /ˌɑː.fɪs ˈaʊrz/

the times during the day when you can go to see a doctor, dentist, professor, etc. at his or her office..


毎週、大学教員が提供する「予約なしで研究室に足を運んでくださってかまいません」という時間です。私のオフィスアワーはお昼の時間に設定していますので、ランチを持ち込んで気軽に訪れてくださって構いません。複数人の来訪者がいる場合、各セッション10分以内とします。



オフィスアワーでできること


オフィスアワーの間は、講義と違い、一対一で話し合いができます。私とシェアしたい話題がありましたら、オフィスに足を運んでください(ただし、全ての問題に対して期待されているような答えがあるわけではなく、問題が解決される保証もありませんので、過度の期待はしないでください)。基本的にはどのような理由で来ていただいても構いませんが、おもしろい問題やテーマをもってきてくださると、お互いの人生にとって有意義な時間になると思います。オフィスアワーは以下のような方に向いていると思われます。


  • 講義でわからなかったことを聞きたい方(→ 補足説明をします)
  • 講義やテスト結果に対する不満がある方(→ 解決されるかは別の話ですが、不満を聞きます)
  • 研究で生じた疑問を相談したい方(→ 疑問が解決される保証はありませんが、一緒に考えます)
  • 日常生活で生じた疑問に悩んでいる方(→ 疑問が解決される保証はありませんが、一緒に悩みます)
  • どうしても話したいことがある方(→ 聞き役に徹します)
  • 英語を話したい方(→ 英語を話します)
  • ダサいヘアスタイルをどうにかしたい男子(→ 各種ワックスあります & ヘアサロンを紹介します)

注:完全な暇つぶしをしたい方は(1)本当に問題を抱えている方の機会を奪ってしまうため、また(2)私も皆さんが考えているほど暇ではないため、訪問しないでください。


学期末の授業評価アンケートに「〜してほしかった」と記入する方が時々いらっしゃいますが、ほとんどのケースにおいて私にとっては初耳の案件ばかりです。これは「他人が〜してくれなかった」と嘆き続ける反応的(reactive)な生き方で、自分の理想通りの展開にはなりづらいと思われます。自分のできることを見極め、自分の行動をまず変える主体的(proactive)な生き方がベターだと思われます。学問の高みを目指し目的達成のためにできる限りのことをするプロの学生ならば、黙って他人に期待し続けるより、まず教員のオフィスを訪れて、自分の考えを伝えるという選択が考えられます。そして、これは少しの勇気で実行可能なことです(主体的な生き方については Stephen Covey の『7つの習慣』を参照のこと)。



私とオフィスアワー


学期開始前、開始直後のオフィス訪問

私がカナダの大学(college)で大学生活を送っていた頃、第1回目の講義が始まる前に先生方のオフィスに足を運んで、どこに誰のオフィスがあるかということを頭に入れていました。疑問が生まれてからオフィスの場所を探していては遅いと考えていたからです(オフィスの場所を探すことが面倒になると、質問をしないという選択をする可能性が高くなります)。学期開始直後の第1週目には、ほぼ全ての先生のオフィスに顔を出していました。そんな早い時期に先生に会いに行っても話すことがない?・・・そんなことはありません。私の場合は、自分が留学生で英語のハンディがあるために、それも含めて自己紹介をしに先生方のオフィスを訪ねていました。先生に顔と名前を覚えてもらうことは重要だと考えていたからです。また、講義を楽しみにしていることを伝えていましたが、今になって考えると教える側をやる気にさせる良いアプローチだったと思います。勉強を楽しんでいる学生に教えることは、教える方にとっても楽しいのです。教わる側のやる気を教える側に伝えれば、それで教わる側がやる気になり・・というポジティブな連鎖が続いていきます。


私) 「English is not my first language, so I may have to visit you often for your assistance. I hope you don’t mind.」

先生)「No! Not at all!」

私) 「Thank you! I am looking forward to your lectures!」


知識ゼロで受講したカナダの歴史

歴史学から提供されていた「Canadian History」を受講することに決めた際、私は自分の知識量(ほぼゼロ)が心配でした。そこで、担当の先生のオフィスを学期前に訪れました。歴史学の先生は、カナダの歴史を勉強したことがなく心配していた私に対して「それなら絶対に何か学ぶことがある」とポジティブなコメントで励ましてくださいました。先生に英語のハンディがあることを伝えたためか、講義中も先生が「そこのグループは Koji を中心にディスカッションをして」などと気を使ってくださいました。結果、勉強にも力が入り、クラストップの成績で終えることができました。


私) 「Because I have never studied Canadian history, I am worried….」

先生)「That’s WONDERFUL! You can for sure take something out of this course!」


言語学の先生との3時間

私に初めて心理言語学を教えてくださった言語学の先生とのオフィスアワー・セッションも記憶に残っています。いつオフィスを訪ねても私が満足するまで話し相手になってくださいました。時には、実験結果の報告方法や心理言語学を勉強する理由というトピックで3時間お話しすることもありました。「なぜ、(心理)言語学を勉強する必要がある?」のような素朴な疑問を延々と話し合う時間は通常の講義にはありませんが、オフィスアワーなら可能なのです。一週間の講義時間と同じですので、贅沢な時間でした。中間テスト、期末テスト後も、自分が間違った問題を先生と話し合うためにオフィスを訪れてました。結果、勉強にも力が入り、A+ の成績で終えることができました。今、私が心理言語学者である事実には、この先生の惜しみない指導が確実に貢献しています。


本気で勉強するカナダのプロ学生(1)

私がカナダの大学で教鞭を取っていた頃、オフィスアワーのためにオフィスで待機していると、カナダ人学生が「Whaaaat is this!!!! Explain!!!」と文句を言いながら、すごい剣幕で入室してきました。定期テストの結果に関して、私の採点に不満があったようです。なぜそのような点数に至ったのかを落ち着いて説明すると、学生さんは泣き出しました。私に対して怒るべきではないことは理解していたようです:「I knew I was wrong, but I just couldn't accept that.」その学生さんに対して私は言いました「Your test score remains unchanged, but knowledge-wise you are now better than what you were. Because you can score 100% the next time you encounter a similar question, you are currently at the top of the class. That is important.」 何度も「Thank you」と言いながら私のオフィスを後にした学生さんは次のテストで見事な回答を披露し、私に「High-five!」と喜びを伝えてくださいました。カナダ人学生さんは相手が先生だからと遠慮することは(あまり)ありません。プロの学生なら、それくらいがよいと思われます。


本気で勉強するカナダのプロ学生(2)

これも私がカナダの大学で教鞭を取っていた頃のお話しです。毎週、決まった時間帯に提供されるのがオフィスアワーですが、常に勉強のために思考を巡らせているプロの学生にとっては、それでも不十分です。月に一度、Japaense Sushi Restaurant に足を運び、お寿司を食べることが私の楽しみの一つでしたが、あの日も Edmonton の街の Whyte Avenue 沿いのレストランで一人、お寿司タイムを楽しんでいました。すると、一人のお客さんが「Hello! Do you mind if I take this seat?」と相席を求めてきました。言語学入門の講義を受けていた学生さんでした。言語学講義についてのディスカッションをしましたが、話すことと食べることを同時にすることは難しいものです。数時間、満足した学生さんが私に「Please enjoy your sushi before they become cold!」・・・(いや、お寿司ははじめから冷めているって!)そこまで本気で勉強のことを考えているとわかると教える側にさらにやる気が出てきます。カナダ人学生さんはオフィスアワー外だからと遠慮することは(あまり)ありません。プロの学生なら、それくらいがよいと思われます。



最後に


オフィスアワーの実施に積極的な先生方と過ごした College 時代、オフィス巡りを始めてから2年後に私の名前は大学長の優等生名簿に載ると同時に大学の壁に(物理的に)刻まれました。これは「英語のハンディがあるからカナダ人学生達と対等に競うことは無理だろう」と考えていた大学1年時の私が想像もしていなかったことで、オフィスアワーを活用していなかったら達成できなかったことです。特定の目的を達成するために「人より時間がかかること」は「できないこと」ではありませんし、「劣っていること」とも言い切れません。講義外でカナダ人学生よりも多くの時間を勉強に投入しなければ講義についていけない私でしたが、その事実を受け入れて、提供されているものを何でも活用した結果、想像以上に成長することができました。College の先生方は教育のプロで、私に対して多大な時間を割いてくださいました。私を上手にアカデミアの世界に導いてくださり、私の人生をおもしろいものにしてくださったあの先生方を良い見本として、私もプロの学生さん方の人生にポジティブに貢献できればと考えて、オフィスアワーを週に2回提供しています。オフィスアワーはプロの学生とプロの教師のための場です。



 Last updated 08/01/2019                                  © Koji Miwa 2015-2019 All Rights Reserved